ハタチそこそこの若造が「億」稼げることもある。
そんな闇金の稼ぎについてお話します。
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闇金の取り立てで悩んでいる方はこちらの記事を参考にしてください
闇金の利息は10日で5割というとんでもない金利だ。
だから、長く闇金業者を続ければ誰だって稼ぐことができる。
俺なんか、毎晩のようにキャバクラで20〜30万分は飲んでいた。
若造のくせに、それだけ払っても屁とも思わないくらい稼いでいた。
といっても、もちろん新人の頃からバンバン稼げるわけじゃない。
ド素人の初任給は、手取りの固定でおよそ20万円。
求人を出した時は、まずこの条件で採用する。
そして、ド素人には、接客なんてさせやしない。
一応、闇金だって客商売だ。
いろいろな基本を叩き込むまでは、客の前に出させない。
2〜3日も教育すればその新人のスジがいいかどうかはわかる。
覚えが悪い奴はもちろん、たとえ覚えがよくても上司の言うことに逆らうやつはすぐにクビだ。
3カ月もすれば、回収にも連れて行ってもらえるようになり、だいたいの仕事は覚えられる。
そのころには、給料も少し上がって、手取りで25〜30万円程度にはなってるはずだ。
中には、仕事の覚えが早く、社長や統括に気に入られて、3ヶ月で店長クラスに抜擢されるようなヤツもいる。
闇金の世界は、基本的に出世のペースが早いんだ。
その店も3〜5人程度の少人数経営で、俺がやっていた当時は「どんどん店を増やせ」という時期だったから、
有望な新人には新店を持たせて勢力拡大を図っていたという側面もある。
だが、一方で「使えない」と判断されると、たとえキャリアがあってもどんどん下に追い抜かれる。
普通に仕事ができるヤツなら、1年も勤めていれば店長の座が見えてくるもんだが、2年たっても3年たっても中堅店員のままってヤツも少なくない。
店長になると、収入はアホみたいに跳ね上がる。
固定給は50万円程度だが、そこに店の売り上げに応じた歩合が加わり、そして暗黙の了解で副業が認められるからだ。
さらに、店長になることで車代や家賃、携帯の通話料など、いろいろなものを経費として計上できるようになるから、
支出も減る。
闇金のおいしさを実感できるのは、店長より上のクラスになってからなんだ。
店の売り上げに応じた店長の歩合は、およそ3割。
闇金の1店舗の売り上げは、中の上レベルで約3000万円あり、そのうち人件費や経費を抜いた利益を約1000万円だとすると、
その3割の300万が店長のものになる。
そのうえ副収入がまたデカい。
店長ともなると、店の帳簿を通さずに優良顧客に個人で金を貸したり、グループの名簿を裏で売り払ったりと、
いろいろな悪事に手を染められる。
もちろんこれらは、統括や社長の目を盗んでやることになるんだが、
闇金の上層部関係者はほぼ全員がやっていることでもある。
時には、こうした副収入が月500万円に届くこともあるんだから、
たまらない話だ。
以上のような収入を合計していくと、店長は多いときで800万以上の金を稼ぐことができる。
もし年間を通してそのペースを維持できれば、年収は一気に「億」に届く。
繰り返すが、闇金の店長の座なんてのは、ハタチ程度の若造がポンポン手に入れられる肩書きなんだ。
店長のひとつ上のポストにあたるのは統括だ。
その仕事は、いくつかの店舗についての管理と指導。
「エリアマネージャー」とでもいえばわかりやすいだろうか。
けれど、立場は店長より強いくせに、店長よりも実入りは少なかったりする。
金額で言えば、給料が200万円程度。
それに店長と同様の副収入だから、おおよそ月に500万〜700万円といったところ。
管理店舗の売り上げに応じた歩合がないせいで、その分だけ店長よりも稼ぎが少なくなっちまうわけだ。
なぜ、そんなねじれ現象が起きるかには理由がある。
自分の名前で金融業の許可をとり、毎日店に出て現場を仕切っている店長は、実は警察による逮捕という高いリスクを抱えている。
これに比べて、統括は現場に出ていない分、リスクは少ない。
おまけに実務がないからはっきり言ってヒマ。
つまり仕事量も少なくてすむ。
こんな感じで、バランスをとっているわけだな。
さあ、トップたる社長の収入だが、これは実際のところ俺は体験したことがないので話しにくい。
俺のキャリアは、統括までで終わっちまったからだ。
ただ、各店から毎月1000万円近くの上納金が集まるわけだから、そんな店舗を10軒持っている社長ならば、月間収入はそれだけで億になる。
まさに夢のような地位ってやつだ。
とはいえ、こうした収入はあくまで世間に公表できない数字だ。
もちろん税金なんて1円も払いやしない。
そして、金は腐るほどあっても、たとえば家を現金で買うようなマネはできない。
そんなことしたら、一発で税務署に目をつけられちまうからだ。
それに、同じ理由で銀行への貯金もできない。
だkら、闇金社長が何人か集まると、決まって話題は
「貸金庫の容量」
についてになる。
現金で膨大な額を保管している社長ならではの会話だ。
「〇〇銀行の貸金庫には5億入る」
「▲▲銀行はダメだ。1億しか入らねえ」
社長たちが真剣な顔をしてそんな会話を繰り広げているってのも、なんだか笑えるだろう。
さて、こんな感じで常人の理解を超えるほどに儲かる闇金だが、残念ながらコレはすべてちょいっと昔の話だ。
「闇金・冬の時代」
を迎えた現在では、ド新人の給料は変わらないものの、店長以上の収入はおそらく半分以下になっているはず。
それでも世間一般の人間よりはだいぶ稼いでいるわけだが、やはり飛ぶ鳥落とす勢いだった当時のことを知っている俺としては、
寂しさを感じてしまう。
「闇金ってバカみたいに儲かるんでしょ?」
と聞かれたとしても、素直に「うん」と言えない時代になってきたんだ。
おしまい
参考文献 闇金裏物語 金原猛著
法律ができればその抜け道をさぐり知識にうとい素人を巧妙に餌食とする悪知恵がはびこるのが常です。
多くの人は法律が守ってくれることを知らず、不当な取り立てに悩まされてしまいます。
貴真面目な人ほど悪質業者の手口の犠牲になりやすいです。
当たり前の権利を知っていただき是非解決してください。
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