闇金や振り込め詐欺で使われる用語として「出し子」「受け子」「かけ子」というのがあります。
出し子とは、借り手や被害者から銀行振り込みでお金を受け取る際に実際に銀行ATMに行って引き出し操作をしてくる人のことです。
受け子とは、現金でお金の授受をする際にその現場まで行ってお金をもらう人のことです。
かけ子は、振り込め詐欺において実際に被害者に電話をかけて騙す役割の者のことをいいます。
いわゆる闇バイトと言われるものです。
迷ったら踏みとどまって弁護士、司法書士、警察に相談しましょう。
出し子として活動することは、一見すると単純なお金の引き出しのように思えるかもしれませんが、実際には重大な犯罪行為への加担となり、窃盗罪(刑法235条)に問われる恐れがあります。
出し子となることで、闇金組織の一員と見なされ、逮捕される可能性が非常に高いです。
闇金は出し子を犯罪の防波堤として利用し、彼らは捨て駒として扱われることが多いのです。
その結果、出し子は警察によって最初に逮捕されることが多く、無知を理由にすることはできません。
逮捕された場合、窃盗罪の容疑で、最大10年の懲役または50万円以下の罰金が課せられる可能性があります。
窃盗罪では、他人の財物を窃取した者に刑が科せられます。初犯であっても、闇金に関連する犯罪の重大性を鑑み、懲役刑が適用されることもあります。
軽い考えで闇金組織に関わることは、将来に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、出し子の仕事を依頼されたら断るべきです。
万が一、知らずに出し子に該当する行為をしてしまった場合は、ただちに弁護士や司法書士などの法律専門家に相談することが強く推奨されます。
闇金が一番怖いのは「捕まること」です。
今までの活動が水の泡になり、場合によってはしばらく服役して活動できなくなるわけですから、彼らはいかにして自分の存在を隠すかということをいつも考えています。
お金を受け取る場面は一番逮捕の危険が高まるところなので、彼らは自分で銀行に行くようなことはせず他の人にこの役をやらせるわけです。
若い人が高額のアルバイトとしてあまり内容も知らされずにこのような犯罪に加担してしまうケースも増えています。
たとえばお小遣いが欲しい女子高生をネットや街頭で集めたり、歓楽街で売れないホストをスカウトするなど、お金が欲しい人を色々な方法で連れてくるのです。
さらに悪質なのが、闇金被害者を出し子として使っている業者です。
家族に内緒で借金しているなどの弱みがあったり、支払いが滞って猶予を頼んできた債務者は絶好のターゲットです。
特に返済ができない人については「今月分の利息は免除するから」など甘い言葉で恩を着せて言いなりにさせ、言葉巧みに自分たちの手先になるよう誘導するのです。
このようなケースでは出し子役をさせられる人が事情を知っていれば弁解の余地はないのですが、自分が何をやらされているのかわからない状況でただ指示に従ってお金をおろしただけ、という人もいます。
自主的にアルバイトとしてやったにせよ、仕方ない状況でやらされたにせよ、犯罪者の手先になったことには変わりありません。
万一、出し子が警察につかまった場合、窃盗罪となり1か月以上10年以下の懲役か、50万円以下の罰金という刑罰が定められています。
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代表司法書士 奥野正智
大阪司法書士会第2667号
簡裁認定番号第312416号
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関西大学ファイナンスコースを専攻し卒業。金融を学び、FP2級の資格を持ち、WEBサイトを運営している40代。
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